法律の窓口とは
相続税対策の狙いは、「相続税の節税」ばかりでなく「納税資金を準備する」ことや「遺産争いを防止する」ことにもあります。
相続税の仕組みや“重み”をよく理解しておくことが、その前提となります。
都内でガソリン・スタンドを経営していたMさんは、5年ほど前、所有する土地を2億5,000万円で売却。これを架空名義により、割引債券や投資信託で運用していました。
Mさんが亡くなったとき、初めて遺族は土地の売却代金が全額、架空名義であることを発見。しかし、遺族は「架空名義なので、まずバレないだろう」と判断し、これらをいっさい除外して相続税の申告を行ったのです。
待ってましたといわんばかりの税務調査があったのは、それから6カ月後のことです。相続税の申告から除外した割引債券や投資信託はきれいに洗い出され、遺族は「重加算税」(ペナルティ)2、300万円を含めた7,700万円を追徴されてしまいました。
こんなケースもありました。都内で歯科医院を経営していたUさんは、生前の事業所得を、妻や子供名義の上場株式として運用していました。
Uさんの死後、奥さんはこれらの株式をF県にある証券会社で換金し、全額を、同県内の銀行へ無記名で預金しました。しかし、これらの財産隠しも税務調査で全てが発覚。遺族は「重加算税」1,000万円を含めた3,800万円を追徴されたのです。
税務署は調査のプロです。CIAなみの“情報網”で集めたデータをもとに、申告書の分析・検討を行い、「財産隠し」の確証を持って、銀行回証券会社などを徹底して調査するわけです。隠し財産の発覚は、時間の問題といえるのです。
安易な財産隠しは、一時の気休めにすぎないことを、まず理解して下さい。どうして、こうも簡単に「財産隠し」が発覚するのでしょうか。答えは単純明快。税務署の“情報網”に引っかかったためです。詳しいことは後でふれますが、先のMさん、Uさのケースでいえば、生前の土地の売却代金や事業所得の「大きさ」を税務署側は先刻ご承知。この「大きき」に対して、相続税の申告財産があまりにも「過少」であり、当然のごとく「財産隠し」の疑いをかけられ、徹底した税務調査を受けたということです。
ここで触れた税務署の“情報網”を詳しく見てみます。第一は、市・区役所からの「死亡通知」です。
税務署はこの通知により、管内における「相続開始の事実」をつかむことができ、相続税の「申告もれ」に目を光らせることができます。第二は、一般の事業会社、銀行、生保会社などからの「支払調書」の収集です。
現在、次のような支払調書が税務署に集中しています。
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